【応用編】子どもの『読みたい気持ち』を引き出す方法
英検Jr.®︎マガジン第364号
※このコラムは、2025年11月10日に配信された英検Jr.®︎マガジン(メルマガ)の内容です
公開日:2026.08.27
最終更新日:2026.08.25
大事なのは「読みたい」という気持ち
第7回では、「多読よりも焦らず多聴を」というメッセージをお伝えしました。
繰り返しになりますが、英語を「聞いて、わかる力」はその後の英語学習において大きなアドバンテージになり、「読んで、わかる力」を幼少期に焦って身につける必要はありません。
それを大前提としたうえで、今回は応用編として、「読む」に焦点を当ててお話をしたいと思います。
まず、最も大事なのは、英語で書かれたものかどうかに関わらず、「読みたい」という気持ちです。
言い換えると、子どもが読みたいと心から思える魅力的なコンテンツがあることが肝心です。
例えば、子どもが好きなキャラクターのストーリーであったり、クルマや恐竜といった子どもがハマっているものについての絵本であったり、放っておいても自ら手に取るようなものがあればいいですね。
ただ、日本語で書かれたものであっても「読む」という行為のハードルは決して低くはありません。母語でも読書をしない子もいます。無理強いをしないことが大切です。

レベルに合ったものを選ぶ
もう一つ大事なのが、子どもの英語力や読解力のレベルに合っているか、という観点です。英語や内容が難しすぎるものはもちろん、簡単すぎても関心の度合い、学習効果は下がってしまいます。
徐々に上がっていく子どもの英語のレベルや関心事に対応できるようにするためには、子ども向け多読教材のセットを揃えるのがベストです。価格が高く、ご家庭で揃えるのは現実的ではない場合、図書館の活用もあり得ます。
最近では、タブレット端末で読めるものもあります。
子ども好みの読みものづくりに生成AIを活用!
読むことに適性のある子どもであっても、英語を「読んでわかる」状態になるにはかなりの時間がかかることは覚えておいていただきたいと思います。
いわゆる「多読」という学習法も、きちんとやれば効果的ではあるのですが、向き・不向きのギャップが大きい方法です(私自身、今でも「多聴」は日々実践していますが「多読」は習慣化していませんし、学生たちにも課題などで出して「やらせる」ことはしていません)。
多読にせよ多聴にせよ、大事なのはコツコツと長く続けること。
そのためにはやはり、「楽しい」「おもしろい」と思えるものを読んだり聞いたりすることが一番です。
子どもの様子をよく観察し、興味・関心を示すコンテンツを見つけられるかどうかが、カギになると言えるでしょう。
子どもに合ったコンテンツ(読みもの)がない…というときにおすすめなのが、ChatGPTやGeminiなどの生成AIツールの活用です。
我が子が好きそうな登場人物やシーン、我が子に合った英語レベルを設定すれば、いくらでもオリジナルのストーリーを作ることができます。
例えば、「ティラノサウルスが主人公のお話を、アメリカの3歳児が理解できるレベルの英語で、500ワードで書いて 」などと入力すると、すぐにリクエストに合ったお話を書いてくれます(AIは単語数のカウントが苦手ですが)。
音声での読み上げ機能もあるので(有償のケースもあります)、多聴にも応用できるでしょう(生成AIの使用には年齢制限がありますので、必ず大人が使いましょう)。
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尾島 司郎 先生 (おじま・しろう)
早稲田大学 理工学術院 英語教育センター 教授
英国Essex大学博士課程修了(Ph.D in Language and Linguistics)。 滋賀大学 教育学部 准教授、横浜国立大学 教育学部 教授などを経て、2023年より現職。 第二言語習得論、言語脳科学、早期英語教育などの研究を通して、日本人の英語習得メカニズムの解明とその教育応用を目指している。2026年1月に新刊『おうち英語ゼミ』(研究社)を出版。3児の父で、大人バレエに挑戦中。
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