英語学習に「歌」が有効なワケ
英検Jr.®︎マガジン第368号
※このコラムは、2026年1月10日に配信された英検Jr.®︎マガジン(メルマガ)の内容です。
公開日:2026.08.27
最終更新日:2026.08.25
英語のリズムや抑揚に慣れ、脳に刻み込む
英語は、日本語に比べてリズムや抑揚、音の強弱がはっきりしている言語です。これが日本人にとっては難しく、発音同様、大人になってから身につけるのは容易ではありません。
一方、早くから英語音声のこうした特徴に慣れておくと、英語がより聞き取りやすくなり、話すときも滑らかになり相手にも伝わりやすくなります。
そして、英語のリズムや抑揚を身につけるのに適しているのが、「歌」です。実際、子どもの英語学習(英語学習に限りませんが)に歌が用いられるのは、世界的に見られる傾向です。
基本的に子どもは歌を聞くのも歌うのも好きなもの。歌は「聞く=インプット」と「歌う=アウトプット」が両方できる、楽しみながら英語に触れるにはもってこいの手段なのです。

歌を用いることには、もう一つ利点があります。ある曲が頭から離れない、脳内でリピートされる、つい口ずさんでしまう…という経験は誰しもあると思います。
人間の脳にとって歌や音楽は、記憶に定着しやすく思い出しやすいという性質があります 。つまり、歌を通してインプットした英語の記憶も、残りやすく思い出しやすいのです。
聞き流しだけでなく、意味とつなげることも大事!
一方、歌(音楽)だけでは意味と結びつかないケースもあります。我々大人でも、子どもの頃に音として覚えた歌詞の意味に、成長して何年か経ってから気づいた、という経験がありますよね。
歌の音だけ聞いていて、歌詞の意味を取り違えてしまうこともあります。歌はあくまでも「音」なので、それだけでは「意味」とのつながりが希薄です。
子どもが必ずしも歌詞の中身を解読できているとは限りません。英語の歌のかけ流しは、英語の音やリズムに慣れるという点では有効ですが、それだけを続けていても、英語を理解できるようにはなりません。
ここで大事になるのが、視覚情報、つまりビジュアルです。まだ文字を読めない子どもにとっては、絵や映像がそれにあたります。
例えば、とてもシンプルな例ですが、動物の歌と動物の映像が同時にインプットされると、動物の英語名と動物のビジュアルがセットとして記憶されやすくなります。加えて、同じ表現に異なるシーンで触れることも大事なので、普段の生活で動物が出てきたら、そこでも英語の名前をリピートしてあげると良いでしょう。
絵本と音楽がセットになった教材もあるので、そうしたものを活用するのもよいと思います。歌だけを流すのは、車での移動中などが適しているでしょう。
歌を選ぶ際に一番大事なのは、お子さんの好きなものであること。私自身もさまざまな子ども向けの歌を聞いてきましたが、素晴らしいものは大人が聞いても歌っても楽しめるんですよね。
そういう歌は記憶にも残りやすいです。親子で楽しく歌えるお気に入りの歌を、ぜひ見つけてくださいね。
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尾島 司郎 先生 (おじま・しろう)
早稲田大学 理工学術院 英語教育センター 教授
英国Essex大学博士課程修了(Ph.D in Language and Linguistics)。 滋賀大学 教育学部 准教授、横浜国立大学 教育学部 教授などを経て、2023年より現職。 第二言語習得論、言語脳科学、早期英語教育などの研究を通して、日本人の英語習得メカニズムの解明とその教育応用を目指している。2026年1月に新刊『おうち英語ゼミ』(研究社)を出版。3児の父で、大人バレエに挑戦中。
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