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英語の正しい発音は大事? 伝わればOK?

英検Jr.®︎マガジン第372号

※このコラムは、2026年3月10日に配信された英検Jr.®︎マガジン(メルマガ)の内容です。

公開日:2026.08.27
最終更新日:2026.08.25

発音はどこまで気にするべき?

英語は世界の共通言語であり、英語を母国語としない人々の、いわゆる「母語訛り(なまり)のある英語」はいろいろなシーンで耳にします。

「多少発音が悪くても、伝わればいい」というのは一つの考え方ですし、ある意味ではもっともだと思いますが、発音が不正確だとコミュニケーションが成立しにくいのも事実です。

ネイティブのような発音を目指す必要はありませんが、「努力できるところはがんばりましょう」というのが私のスタンスです。

例えば、日本語にはない /f/ や /θ/(thが表す音) などの音は、舌・唇・歯の位置・使い方などを意識することで、ある程度は再現できます。これらは意識して繰り返し練習することで、大人になってからでも習得が可能です。発音指導で取り上げられることも多く、多くの人にとってお馴染みの発音ポイントですので、取り組み易いでしょう。

一方、英語では /t/ , /p/ , /s/ などの子音を発音するときに、日本語よりも強く「呼気」を乗せている、つまり、空気を強くたくさん出している、といったことは、あまり教えてもらえません。これも努力できるポイントではあるのですが、日本語の音が耳に染み込んだ大人にとってはやや難しいものになります。

L・Rの発音が難しいのはモデルがないから

日本語母語話者にとって、聞き分けも発音も難しい典型例として知られているのが、英語の /l/ と /r/(L・R)です。日本語ではこの区別をしません。

/f/ や /θ/ も日本語にない音ですが、研究では /l/ と /r/ の方が日本人に困難な音として取り上げられることが多く、私個人も英語スピーキング中に集中力が下がると、 /l/ /r/ の発音が曖昧になってしまいます。「発音する」と「音を認識する」は表裏一体で、正しく認識できてない音を発音することは難しいと言えます。

人間は、声(音)を発すると同時にその音を聞き、脳内でモデルとなる「正しい音」と照合し、瞬時にフィードバックして微調整をしています。いわば無意識にチューニングを行っているのです。

私自身も大人になってから一時期近畿圏に住み関西弁をたくさん聞いた結果、自分も関西弁のアクセントで単語を発音するようになっていた、という経験があります。一方、モデルとなる音が正確に記憶されてない状態だとチューニングが働かず、正確な発音もできません。

そして、音声面の学習には年齢の影響が強く出ます。上記の例のように大人にも音の学習は起こりますが感受性が低くなる面もあります。

子どものころに「正しい音」をインプットして土台を作っておくことが有効です。「子どもは耳がいい」と表現されることがありますが、「まだ母語用に脳がチューニングされていないから、母語以外の言語の音もそのまま入りやすい」という風にも言えます。未成熟がゆえにオープンな状態だということです。

大事なのは、幼いうちにリズムや強弱、イントネーションも含めた広い意味での「英語の正しい発音」に触れておくこと。たくさんのパターンが頭の中に入っていれば、自身の発話を自然とそのモデルに合わせていくことができるのです。

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この記事の監修者
尾島 司郎 先生

尾島 司郎 先生 (おじま・しろう)

早稲田大学 理工学術院 英語教育センター 教授

英国Essex大学博士課程修了(Ph.D in Language and Linguistics)。 滋賀大学 教育学部 准教授、横浜国立大学 教育学部 教授などを経て、2023年より現職。 第二言語習得論、言語脳科学、早期英語教育などの研究を通して、日本人の英語習得メカニズムの解明とその教育応用を目指している。2026年1月に新刊『おうち英語ゼミ』(研究社)を出版。3児の父で、大人バレエに挑戦中。

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