子どもが英語を話さない…「話したい!」を引き出す方法と親のNGパターン(前編)
英検Jr.®︎マガジン第356号
※このコラムは、2025年7月10日に配信された英検Jr.®︎マガジン(メルマガ)の内容です
公開日:2026.05.12
最終更新日:2026.08.12
目次
英語スピーキング上達のコツは「とにかくやってみる」こと
前回は、「良質なインプット」の条件についてお話ししました。今回からは、「アウトプット」のお話をしたいと思います。
言語学習においてアウトプットというのは、スピーキング(話す)とライティング(書く)です。従来の知識(語彙や文法)のインプット中心の英語教育の反動で、昨今はアウトプットに重点が置かれる傾向があります。しかし、いずれも苦手意識を持つ日本人が多く、特にスピーキングについてはそれが顕著です。
第2回でお伝えしたように、インプットとして入っていないものをアウトプットとして出すことはできず、アウトプットのためには良質で大量のインプットが不可欠です。英語はコミュニケーションツールですからアウトプットはとても大事ですが、その大前提となるインプットの重要性にも、しっかりと目を向けていただきたいと思います。
スピーキングは運動や楽器と同じ、練習あるのみ
では、インプットしたものをスムーズにアウトプットできるようになるためには、どうしたらいいのでしょうか。アウトプット、特に口や舌の動きを伴うスピーキングは、運動や楽器の演奏のようなもので、練習あるのみです。
例えば、ピアノの先生がいくらピアノの理論を教えても、それだけでは生徒はピアノを弾けるようになりませんよね。自分で弾いてみて、失敗して、また弾いて…を繰り返しながら、次第に滑らかに弾けるようになっていきます。自転車も、最初は倒れないようにいろいろなところに意識を向けて乗りますが、そのうちに細かいことを意識せずとも乗れるようになります。
まず口に出してみることが大事
英語のスピーキングも同じ。自分で「やってみる」ということがなければ、滑らかにしゃべれるようにはなりません。自分で口に出してみて、つっかえながらでも発話することがとても大事です。ただし、子供をスピーキングに導くには注意点もあります。
子どもが英語を話す環境をつくるには
アウトプットの目標は、滑らかに、正確に、話したり書いたりできるようになることです。しかしこれは、あくまでも大人になったときの目標。子どもに対して、アウトプットを強制したり、最初から滑らかさや正確性を細かく求めたりするのはNGです。
アウトプットを強制したり、正確性を細かく求めたりするのはNG
我が子が発する英語が間違っていると、つい指摘したくなるものですが(英語ができる親御さんにありがちです)、過度になるとお子さんの英語へのモチベーションは下がってしまいます。自分のアウトプットに対して周囲からのネガティブなリアクションが続くと、恥ずかしい、できない、もうやりたくない…となってしまうのです。せっかく「アウトプットしたい」という思いが芽生えた(アウトプットへの準備ができた)のに、出すのをためらってしまう…という悪循環になりかねません。
英語の話し相手をつくろう
ある程度インプットが溜まってアウトプットの準備ができたお子さんに必要なのは、英語の話し相手です。親子で英語で会話をするのももちろんよいのですが、親がつい感情的になって余計な指摘をしてしまうという場合は、オンライン英会話などを活用して家庭外の人に任せてしまうのがおすすめです。1週間に1回でも1日15分でも、アウトプットの時間を持つことはとても有効です。

また、機会があれば、英語学習者の集まりや英会話教室主催のイベントなど、英語を使う相手がいる環境に身を置いてみるのもいいでしょう。大事なのは、「英語を話す必然性のある環境」をつくること。お子さんに、ポロッと英単語を口にするような姿が見られたら、ぜひ、検討してみてください。
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尾島 司郎 先生 (おじま・しろう)
早稲田大学 理工学術院 英語教育センター 教授
英国Essex大学博士課程修了(Ph.D in Language and Linguistics)。 滋賀大学 教育学部 准教授、横浜国立大学 教育学部 教授などを経て、2023年より現職。 第二言語習得論、言語脳科学、早期英語教育などの研究を通して、日本人の英語習得メカニズムの解明とその教育応用を目指している。2026年1月に新刊『おうち英語ゼミ』(研究社)を出版。3児の父で、大人バレエに挑戦中。
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